心の扉が思わず開く!話したくなるコミュニケーション・カード

ニューロスカイ営業本部長 小山氏×健育社代表 畑川 対談 【前編】

脳波測定から見えたTOBIRA®カードの大きな可能性【前編】

TOBIRA®カードは、カードとヘッドセット(脳波測定器)と計測アプリの3点セットでの販売を計画していました。お客様の同意を得て脳波測定を重ねていましたが、様々な問題からヘッドセットと計測アプリの商品化を断念。TOBIRA®カードのみの販売となりました。

商品化は難しかったものの、じつは脳波測定から見えてきたことが多々ありました。ご協力いただいた株式会社ニューロスカイ 執行役員 営業本部長の小山裕昭さんと、株式会社健育社代表でTOBIRA®カード開発者の畑川郁江が、脳波測定から見えたことについて語り合いました。

(インタビュアー:勝木雪子)

 

簡易型脳波測定器を開発したニューロスカイ小山さんとの出会い

─小山さんがTOBIRA®カードを初めて知ったのはいつですか?

小山:
「2015年12月に開催された『第2回日本橋メディカル・イノベーターズ・サミット』に私が登壇したときです。
『生体信号の「見える化」で変わる健康管理』というテーマで、開発して間もない簡易型脳波測定器を紹介する講演をしまして。そこに畑川さんがいらして、『じつは測りたいものがあるんです』とおっしゃられて…。」

畑川:
「NECOMIMIという脳波で動くネコの耳を着けて登壇しておられた小山さんに、お話しが終わったところへ近づいていって(笑)。

こちらでもお話ししましたが、 当時脳波を測定するといえば、大学の研究室に被験者さんが出向いて行ってヘッドギアをつけて…、と大掛かりになってしまうな、と悩んでいました。
困りながらネット検索してみると、そこにはとてもシンプルなヘッドセットが写真で現れました。
ニューロスカイさんはすでに簡易的な測定機器を商品化させていると知って、これで手軽にできるのではないか、と心が躍りました。

その検索結果をみた週の終わりに小山さんが日本橋メディカル・イノベーターズ・サミットに登壇されるのをたまたま知り、会いに行ったというわけです。」

小山:
「休み時間にワーッと近づいてこられました(笑)。名刺交換をして、TOBIRA®カードの話を聞いて、カードをやっているときの脳波を測定したいとおっしゃられて。
面白いことやってるなと思いましたね。私も開発した測定機器の性能をさらに向上させたいと考えていましたので、いろいろな状況の脳波測定をし、やってみてどうなるかとても興味がわいたのです。」

畑川:
「私は医療・製薬の仕事が主軸なので、エビデンスへの関心が高いんですね。それで小山さんに、どうしてこうなるのですか?と疑問を投げたり、脳波測定のアルゴリズムについていろいろ質問したり。登壇後の休憩中でしたが、一つ一つ丁寧にお答えくださいました。」

株式会社ニューロスカイ 執行役員 営業本部長の小山裕昭さん

 

脳波測定で “感情の見える化” ができる

─それでコラボレーションすることになったのですね。ところで、脳波測定ではどんなことが分かるのでしょうか?

小山:
「その時の内面の状態が分かります。脳波にはアルファ波、ベータ波、シータ波などの波形がありますが、たとえばリラックスした状態では、アルファ波が多く現れます。ある状態の時にはこの種類の波形が現れるということは分かっていますので、それらを掛け合わせていくつかの感情認識アルゴリズムを設定しました。

具体的には、Attention (集中度)、Familiarity (理解度・習熟度)、Meditation (リラックス度)、Appreciation (興味度)、Mental Effort (活動負荷)といった脳波解析アルゴリズムがありますが、TOBIRA®カードではAppreciation (興味度)というアルゴリズムを使って計測することにしました。

測定方法は、MindWaveというヘッドセットを装着していただき、おでこと耳たぶの2か所で脳波を検出します。その脳波データは瞬時にグラフ化されますので、リアルタイムで内面の状態を見ることができるのです。

実際の機器で見てみましょうか。当時のものとはちょっと違いますが、実物を見たほうが理解できると思いますので。」

畑川:
「では私が装着してみましょう。ヘッドセットをこんな感じで着ければよいですね。」

小山:
「はい。ではお話しを続けましょう。」

ヘッドセットを装着する健育社代表 畑川

─話しをしていると、数値が上がったり下がったりしますね。これが興味度の高い低いということなのでしょうか?

小山:
「そうなんです。畑川さんは先端テクノロジーの話をしているとき、数値がどんどん高くなり、なんと100までいきました。これはその話題に大変興味があるということを示しています。」

興味度が数値で表示される。
現在はBluetooth経由でデバイスからスマホアプリにデータが送られ、計測できるようになった。アプリはこちら。

畑川:
「私、テクノロジーの話が好きなんです。それが分かってしまうんですね(笑)。」

小山:
「別の話題のときには、数値が急速に下がっていきました。今僕が話していた〇〇の話には興味がないということです。」

畑川:
「いやいや、興味がないというわけではないです(汗)。」

─脳波から興味の有り・無しが可視化できるのですね!すごいですね。驚きました。

小山:
「はい、そうなんです。このような仕組みを用いて、高齢者施設で利用者さんがTOBIRA®カードをやっているときの脳波の状態を調べました。」

畑川:
「TOBIRA®カードは当初、回想法に効果があるのではないかという仮説を立てました。

回想法とは、懐かしい写真やモノなどに触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う心理療法のひとつですが、特に高齢者にとって、人生を豊かにするための手段のひとつだといわれています。

TOBIRA®カードにそうした効果があれば、高齢者施設などでのレクリエーションだけでなく、利用者さんの歴史、体験、こだわり、習慣をより深く理解し、日常のコミュニケーションに活かすことができるのではないか、と。
そのエビデンスとなるデータを、脳波測定から得ようと考えたわけです。」

興味度の4段階の定義

 

(後編につづく)

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