お茶と大井川とSLのまち、静岡県島田市にある「みどりや薬局(代表社員 清水雅之様)」では、地域の人々の健康を支える活動のひとつとして、「認知症カフェ」を開催しています。そこでTOBIRAカードを常に使っているとのこと。一体どんなご様子なのか、店主で薬剤師の清水さんにお話しを伺いました。

地域のお年寄りを支える「認知症カフェ」でTOBIRAカード

「みどりや薬局」は、地域で唯一の健康サポート薬局(※1)として、薬局業務に加え、健康を支えるさまざまな取り組みを行っています。

薬局近くにあるご自宅の一角にスペースを設け、誰もがアクセスできる場として、筋トレ教室やボルダリング教室、認知症カフェなどを開催しています。

「認知症カフェ」では、認知症のご本人やその家族、ご近所さん、医療・介護の専門職など、毎回20人以上が参加されます。

常連さん、ニューフェイスさん、隣町からやって来る方など、毎回少しずつメンバーが入れ替わることもあり、自己紹介と話題づくりのため、TOBIRAカードを使っているそうです。

自己紹介では、
 1)テーブルごとに7~8人のグループをつくる
 2)カードをよく切り、各自に1枚ずつ配る
 3)カードに書いてあるテーマに沿って自己紹介
といったルールでおこなっています。

※1 かかりつけ薬剤師・薬局の機能に加えて、市販薬や健康食品に関することや介護・食事・栄養摂取に関することまで気軽に相談できる、一定基準を満たし認可された薬局のこと。地域の人々の健康をより幅広く、積極的にサポートする。

カードをきっかけにジモト話で大盛り上がり

参加者は人生経験豊富な皆さんばかりですから、カードのネタを皮切りに、
昔話で大いに盛り上がります。

たとえば、再開発して風景が変わった場所でも

「昔はあそこは〇〇〇〇だったわよね」
「そう!そう!そう!」

といった感じで、地元ならではの共通の記憶が蘇ります。

また、カードを使った自己紹介がきっかけで、小学校の同級生だったことが発覚した人もいたのだそう。
卒業以来、ウン十年。パッと見ただけでは分からなかったものの、TOBIRAカードが共通の記憶を引き出したことで、数十年の時を経て二人をつなげたのですね。

<手前のカードを引いた方は「モテ期」がテーマ。ワクワクしますね>

「TOBIRAカードを使ったおしゃべりタイムは、とても盛り上がります。皆さん笑顔でとても楽しそう。毎回やりますから常連さんには覚えられていて、やる時間が後のほうになると『今日はカードやらないの?』と催促されます(笑)」と清水さん。

TOBIRAカードを心待ちにしてくれる方々もいらっしゃることは制作側冥利につきます。

認知症が進んだ方の表情が笑顔に変わり、地域の「歴史」の先生に変身

認知症カフェには、認知症の症状が進んだ方も参加しています。外へ出るきっかけとしてご家族とともにいらっしゃいますが、最初はご本人の表情は少ないのだそうです。
ところが、

「TOBIRAカードで昔話をすると、すごく明るくなります。」

「昔の話、とくに若い頃の話は、すごくイキイキとお話しされます。細かいことでもしっかり記憶されていて、お話しを聞いていると違和感は全くなく認知症であることを感じさせません。
ほかの人の話を聞いているときも、笑顔になったり、何かを考えている風だったりで、表情に光が灯るんです。」と清水さん。

<自分で引いたカードを見つめ、思い出します>

認知症は、長期記憶が保たれているといわれますが、清水さんはまさにそれを目の当たりにし、さらに表情がこんなに豊かになること、とても細かいところまで覚えていること、などあらためて人間の不思議さを感じるそうです。

そして、記憶を蘇らせ表情を豊かにするきっかけになるのが、偶然手にするカードのキーワード。
ゲーム性があって、強制されず自分の言いたいことを話せる、というのが良いのではないかと清水さんはおっしゃいます。

また、清水さんも毎回皆さんに交じって自己紹介します。昔から地元で営んできた薬局なので、地域には顔見知りが多いものの、隣町などから初めてやってくる方もいらっしゃいます。
TOBIRAカードは、そうした方に自分のことを伝える良いツールだなと感じているそうです。

地域包括ケアシステムに関わる多職種交流のアイスブレイキングにも

清水さんはケアマネ、ヘルパー、訪問看護師、薬剤師、行政など専門職が連携して地域医療の課題に取り組む場「ケアカフェ」の活動もしています。

その会合でも、アイスブレイクとしてTOBIRAカードをお使いいただいているとのこと。

<多職種会議 ケアカフェの自己紹介&アイスブレイクにも>

「これを使った自己紹介では、それぞれの職務や所属先だけでなく、その人自身の話が加わるので、記憶に残りやすくなったり、心理的距離が近づきますね。」

さらに、TOBIRAカードでの盛り上がりを期に、インスピレーションを得て新たな別の企画が生まれたりと、次のステップへの創造性のきっかけとしても役立つようです。

認知症カフェでも、専門職のケアカフェでも、TOBIRAカードで心の扉が開いたようです。次はあなたの会合で、心の扉を開いておしゃべりしてみませんか?

<TOBIRAカード配布のお手伝い?カードは世代を超えます>

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【取材協力】
合同会社 みどりや薬局 代表社員 清水雅之様

薬剤師、JADA公認スポーツファーマシスト、JPSDR災害医療支援薬剤師として、地域を取り巻く薬剤師活動を多面的に行う「健康サポート薬局」の活動を実践中。
地域活動のほか、学校教育からアスリート達への薬物療法に関する啓蒙の手段として
うっかりドーピング防止カードゲーム「ドーピングガーディアン」を開発。
アスリートやスポーツ指導者、学生への啓発をおこなっている。

みどりや薬局
https://www.facebook.com/midoriya.m2020/
ドーピングガーディアン
https://www.doping-guardian.com/